化粧品を作ること
2021.01.24
化粧品を作る製造の手前には、製品を研究し商品開発を行う部署があります。
化粧品は化学の分野で作られる工業製品に分類され、とてもとても複雑なものづくりです。
販売業から転身して製造を始めた時、華々しい化粧品や美容の世界とは全く違う世界に映りました。
自然美容を提唱する側として考える理想の化粧品と、製造側として考える理想の化粧品は全然違うところにあり、そのギャップやジレンマに随分悩みました。
化学工業製品の分野にも植物由来の原料は存在しますが、主原料にするには時間が経っても変化しない状態に加工された植物原料になり、その時点で単なる植物由来の製品になってしまいます。100%植物原料と言えば、植物油や精油くらいしか思いつきません。
植物油と言っても、化粧品としての安全パイを選ぶなら化粧品原料用に生成された安全性の基準を満たしているものを使用します。
どこどこの〇〇油を使いたいとなれば、その植物の安全性基準を証明する事から始めなくてはなりません。
食品用のアマニ油がお店に売っていたから、それを使って化粧品を作りたいと思っても、研究員はそれ本当に全てアマニ油?という疑問から始まります。
ちゃんと証明してね、と。
製造者はどこの何かがわからないものを原料にすることは危険であると判断する監視役となります。
現在の薬機法は、何を使っても良いけどすべて自分で責任とってくださいねという姿勢。
2006年までは配合成分について厳しく取締が行われていましたが、それ以降は全く正反対の法改正となりました。
多くの異業種参入があったのもこの時期。化粧品の自由度が増した分、不安も高まったように思います。
化粧品は通常全成分表示となっていますが、研究資料に記す処方の表記はまた別のもの。
表記をみると大体の構成が見えてきますが、本当の中身を知るのは作る人のみぞ知る事柄になります。
企業秘密ってやつですね。
過敏症になってしまった方は、どの成分に反応するか調べておいたほうが良いと思います。
数多くの化粧品を使うほど、抗体を多く持つ事になるので、より反応する範囲が広くなっていますので要注意です。
毎日使う化粧品は慎重に選びたいものですね。
THE HERBS